2008年5月18日 日曜日

平安と勝利

Filed under: 礼拝メッセージ — 牧師 @ 10時30分58秒

ヨハネの福音書16章32、33節

中国では大きな地震で、大惨事となりましたが、人生に何が起こるか一寸先は闇です。皆さん、心に真の平安がありますか。
十字架を前にしたイエス様の弟子達への最後の言葉として「見なさい。あなたがたが散らされて、それぞれ自分の家に帰り、わたしをひとり残す時が来ます。いや、すでに来ています。しかし、わたしはひとりではありません。父がわたしといっしょにおられるからです。わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を持つためです。あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」(ヨハネ16:32,33)と語られました。それは十字架と復活による、罪と死に対する絶対的勝利による確信から生じる内的平安と勇気ですが、今日は、主にある平安と勝利について考えてみましょう。

第一に、平安とは何かです。
 「平安」とは、戦いも矛盾も心の葛藤も何もないということではありません。
 もう百年も前のことです。シカゴの弁護士ホラティオ・スパフォードは、四人の子供を連れてフランス船に乗ってヨーロッパに向かった妻から、次のような知らせを受けました。「私だけがひとり助かった」-それは、船が沈没し、四人の子供はみな死に、妻ひとりが助かったという悲痛な電報でした。この知らせを受け取ったスパフォードは、悲しみのどん底に落ちました。しかし、やがて一つの詩を作りました。それが、あの有名な「やすけさは川のごとく」(新聖歌252番)です。
 悲しみの中にも、川のように流れる平安-それは、「わたしの愛の中にとどまれ」(ヨハネ15:9)と言われた、イエス様の内にのみあるのです。
ヨハネ15:9
15:9 父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛しました。わたしの愛の中にとどまりなさい。

 ポール・トウルニェは「強い人と弱い人」の中で、「人に強い人、弱い人の二種類があるのではない。事実、すべての人は弱い」と言っていますが、社会はどうでしょう。外側を飾って、強さを誇りますが、実際人間は、弱い者です。弱さを認めた時、本当の強さがわかります。本当の強さとは、ポール・トウルニェは、「神との接触から生まれる強さだけが本当の創造的な強さなのだ」と言っています。クリスチャンは、弱いようですが、いざの時には何にも動じない内面的な神から生まれる強さを持っています。
第二に、潔白でも試練はあるということです。
ヨブのことを考えてみましょう。「彼(ヨブ)のように潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっている者はひとりも地上にはいない。彼はなお、自分の誠実を堅く保っている。」(1;1,8,2:3)と神は、ヨブのことを語っています。彼は、神のみ前に全く罪がない、という意味ではなく、神を畏れ、神に従がおうとし、罪に気づいた時には赦しを頂いたのです。
ヨブ1;1,8,2:3
1:1 ウツの地にヨブという名の人がいた。この人は潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっていた。
1:8 主はサタンに仰せられた。「おまえはわたしのしもべヨブに心を留めたか。彼のように潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっている者はひとりも地上にはいないのだが。」

そのようなヨブでしたが、家族・財産・地位・家畜すべてを失います。そればかりでなく、「足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物」ができ、彼の妻に「それでもなお、あなたは自分の誠実を堅く保つのですか。神をのろって死になさい。」と冷たく言われますが、彼は彼女に「あなたは愚かな女が言うようなことを言っている。私たちは幸いを神から受けるのだから、わざわいをも受けなければならないではないか。」ヨブはこのようになっても、罪を犯すようなことを口にしなかった。」(ヨブ2:7-9)と記しています。
ヨブ2:7-9
2:7 サタンは主の前から出て行き、ヨブの足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物で彼を打った。
2:8 ヨブは土器のかけらを取って自分の身をかき、また灰の中にすわった。
2:9 すると彼の妻が彼に言った。「それでもなお、あなたは自分の誠実を堅く保つのですか。神をのろって死になさい。」

そして3人の友がやってきて、ヨブの変わり果てた姿を見て、泣き、悲しみ、7日間黙って座っているしかないほどでした(2:13)。ヨブは、素直に生まれたことをのろい(3:3,11)、死にたいのに死ねない(3:21)と告白します。これは、信仰が後退したのではなく、立派な信仰でも、思わず「死にたい」と嘆くことが十分あり得るということです。
ヨブ2:13
2:13 こうして、彼らは彼とともに七日七夜、地にすわっていたが、だれも一言も彼に話しかけなかった。彼の痛みがあまりにもひどいのを見たからである。

ヨブ3:21
3:21 死を待ち望んでも、死は来ない。それを掘り求めても、隠された宝を掘り求めるのにすぎないとは。

3人の友は、ヨブの現在の苦難は、ヨブの罪の結果だという。人は不信仰ゆえだ、罪ゆえだと言います。確かに罪の場合もありますが、ヨブのように潔白な人が、苦難に合うこともあるのです。しかし、ヨブを苦しめた最大のことは、神への疑問、つまり神に問いかけても、神が答えて下さらない、回答して下さらないことでした。

私達も、苦難の時、「神様が愛ならなぜ、どうしてこんな苦しいところを通るのですか、なぜ教えて下さらないのですか、なぜ黙っておられるのですか」と問いかけずにはおられない時があります。ヨブも「私は、日にも当たらず、泣き悲しんで歩き回り、つどいの中に立って助けを叫び求める。」(30:25-28)と、心から泣き、悲しみ、叫びました。心の叫びを神にぶつけたのです。
ヨブ30:25-28
30:25 私は不運な人のために泣かなかっただろうか。私のたましいは貧しい者のために悲しまなかっただろうか。
30:26 私が善を望んだのに、悪が来、光を待ち望んだのに、暗やみが来た。
30:27 私のはらわたは、休みなく煮えたぎる。悩みの日が私に立ち向かっている。
30:28 私は、日にも当たらず、泣き悲しんで歩き回り、つどいの中に立って助けを叫び求める。

しかし、神は沈黙されていました。私も大切なものを失ったこともあり、人、特にクリスチャンや牧師から「あなたの病気は罪ゆえだ」とか「不信仰だからだ」と言われたことがあります。それもつらく悲しいことですが、それ以上に神から何の応答もない、沈黙されるほどつらく、悲しいことはありません。耐えられないほどでした。

第三に、神の時があり、その時神は、語り掛けて下さるということです。
神は本当に沈黙し、苦難の中に一人放りだされたのでしょうか。神はヨブの潔白を信じておられましたが、ヨブの人間的強さを信じておられたのではありませんでした。神は黙っておられる間も、じっとヨブと三人の友との語らいに耳を傾けておられたのです。それは「主はテマン人エリファズに仰せられた。「わたしの怒りはあなたとあなたのふたりの友に向かって燃える。それは、あなたがたがわたしについて真実を語らず、わたしのしもべヨブのようではなかったからだ。」(ヨブ42:7)と語っておられることでわかります。そして、ちょうどよい時に、ヨブに語りかけられたのです。
ヨブ42:7
42:7 さて、主がこれらのことばをヨブに語られて後、主はテマン人エリファズに仰せられた。「わたしの怒りはあなたとあなたのふたりの友に向かって燃える。それは、あなたがたがわたしについて真実を語らず、わたしのしもべヨブのようではなかったからだ。

「神が、この私に語りかけて下さった。この私に近づいて下さった」、ヨブにはそれで十分でした。私達もそうです。神様が、特別に私に語りかけ、近づいて下さる。これ以上何を望む必要がありましょう。そこに心の目が開かれたなら、どのような災いがあろうとも乗り越えられます。

第四に、神のまなざしです。
 神様は沈黙をされていましたが、神様の目は離れていませんでした。たえず、愛のまなざしで見ておられたのです。今は苦しく、神は何も答えてくれないかもしれません。しかし、神様は、あなたを見捨てたり、見離したりしたのではなく、そのことを通して、信仰を訓練させておられるのです。事実、ヨブはこの試練を通して忍耐を学びました。人は、なぜ、どうしてという状況の中にあれば、あるほど神は、愛をもって、その人を練られるのです。

ですから、どのようなことがあっても、そこには必ず意味があり、人知をはるかに超えた神様のご計画の中で、私達を活かし、「あなたはわたしのもの」(イザヤ43:1)と言って下さり、すべてを益にして下さる神様を信頼し続けることです。そして神の時があるのです。たとえ、状況が変わらなくとも、それを受け入れ、対処する力、つまり神にある強さが、その人の中に築き上げられ、揺るがない忍耐と御霊の実が与えられるのです。これこそが本物の平安であり、勝利です。
 皆さん、たとえ患難が襲ってきても、耐える力と主にある平安を頂いて、人生を歩ませて頂きましょう。
イザヤ43:1
43:1 だが、今、ヤコブよ。あなたを造り出した方、主はこう仰せられる。イスラエルよ。あなたを形造った方、主はこう仰せられる。「恐れるな。わたしがあなたを贖ったのだ。わたしはあなたの名を呼んだ。あなたはわたしのもの。

< 本メッセージは、松橋牧師がキリスト兄弟団上田教会で行ったものです>

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