2008年6月15日 日曜日

望ましい父親像

Filed under: 礼拝メッセージ — 牧師 @ 10時30分08秒

エペソ人への手紙6章1-4節

 今日は父の日ですので、望ましい父親像について考えて見ましょう。

第一は、ある父親の告白です。
「百万人の福音」1999年5月号に、数年前の新聞に、父親回復を真剣に考えているある父親の告白が記されていました。
 「運動会や授業参観に出たこともなかった。子供が登校拒否になったのも知らなかった。夜遅く帰って、翌日の客との話題作りのためニュースを見て、新聞を読む。妻がキッチンのカウンター越しに何か話している。中身を聞かず、首だけ振っていたんです。妻がある日、突然背中をたたいた。いつまでもそうして首を振っていればいいでしょう、と。冷たい目でした。家庭でも会社でも、いつも何かを演じていた。目の前にいる人の言うことを聞ける自分ではなかった。なんと乱暴な人間関係を築いてきたのだろう。そう気づきました」と。

 父親が家庭に不在となり、子供の教育を母親まかせにし、父親がその権威の失ったことを嘆くことはあっても、妻や子供との時間を大切にしょうとしない。そういう中で、社会で懸命に働きながらも、妻の声に耳と心を傾け、本気で子供と向き合い、妻や子供との時間を大切することに気づくことが父親回復の第一歩と言えましょう。
 
第二は、望ましい父親としての権威とは何かです。
 昔は、父親と子供が共に仕事をすることによって、人格形成を親から直接学びましたが、現代は、そうはいきません。だからこそ、家庭教育における父親の責任と役割が重要になってきました。そして、より望ましい父親となるためには、父親の権威が必要かつ重要になってきます。
 人を導くためには、どうしてもそれなりの権威がなくてはなりません。教師は教師としての、父は父としての権威があってこそ、強力な指導力を発揮することができます。日本の家庭からは、今、精神的な力としての父親の権威が次第に失われています。では、権威とはどんな内容を指すのでしょうか。

その1、信頼される父親です。
 信頼のないところに教育は成り立ちません。どんなに両親が教育熱心であっても、子供に信頼されないなら、その教育は成功しません。では父親として、子供に信頼されるための条件は何でしょうか。
 それは勤勉であること、仕事に魂を打ち込むことだと思います。仕事への熱心さは子供への無言の教育であり、仕事に励んでいる父親の姿は子供に安心と信頼感を与えると同時に、仕事に励みつつ、わが子に対する深い関心を持つことが必要です。よく、子供は親の後ろ姿を見て育つと言われます。まず父親の生きざまを子供に示すことです。

その2、厳しさのある父親です。
 わが子を叱ったり、時にはむちを与えることもありましょう(ヘブル12:5-11)。子供達は、なれ合い型や物分かり型の父親よりも、「ドンと当たって、ガンとはね返すそんな父親」を、今も子供は求めています。
ヘブル12:5-11
12:5 そして、あなたがたに向かって子どもに対するように語られたこの勧めを忘れています。「わが子よ。主の懲らしめを軽んじてはならない。主に責められて弱り果ててはならない。
12:6 主はその愛する者を懲らしめ、受け入れるすべての子に、むちを加えられるからである。」
12:7 訓練と思って耐え忍びなさい。神はあなたがたを子として扱っておられるのです。父が懲らしめることをしない子がいるでしょうか。
12:8 もしあなたがたが、だれでも受ける懲らしめを受けていないとすれば、私生子であって、ほんとうの子ではないのです。
12:9 さらにまた、私たちには肉の父がいて、私たちを懲らしめたのですが、しかも私たちは彼らを敬ったのであれば、なおさらのこと、私たちはすべての霊の父に服従して生きるべきではないでしょうか。
12:10 なぜなら、肉の父親は、短い期間、自分が良いと思うままに私たちを懲らしめるのですが、霊の父は、私たちの益のため、私たちをご自分の聖さにあずからせようとして、懲らしめるのです。
12:11 すべての懲らしめは、そのときは喜ばしいものではなく、かえって悲しく思われるものですが、後になると、これによって訓練された人々に平安な義の実を結ばせます。

 子供が中学生ともなれば、反抗したり、わがままな行動を行うようになります。それで親は、心配し、おろおろしてしまいますが、子供の心の底には「愛されたい、頼りたい」という気持ちが、強いのです。
 特に不安定な年ごろともなれば、ただやさしいよしよし型、なれ合い型の父よりも、やはり強くたくましい父へのあこがれが大きいのです。不動の父、頑固で厳しい父、いかめしい父が必要になってきます。
 では、どんな点において厳しくすべきでしょうか。5つあげます。
①善悪のけじめに厳しくすべきです。
 善悪の分別がはっきりしない若者が多くなっているのは、父親に大きな責任があります。何が善で、何が悪かをしっかり教えましょう。
②ルールを守らせることです。
 子供が正当な理由もなく、親や人を馬鹿にしたような言葉やあいさつ、学校や社会のルールを破った時、父親はこれを教え、諭(さと)し、戒(いまし)める(訓戒の意)ことが大切です。
 公衆道徳の教育には父親が一番です。他人への思いやりを教えないことは、子供の将来に大きなキズをつくってしまいます。

③自立性を養うことです。
 現代の多くの親は、子供が勉強に熱心なら、それでいいと思っているようで、勉強のためなら助けの手を惜しまないようです。確かに勉強も大切ですが、もっと大切なことは、社会に貢献できる「自立性」を養うことです。

④豊かな人間性を育てることです。
「私は愛されている」という満足感、「家庭が明るく楽しい」という幸福感は、豊かな人間性を育てる最も大切な条件です。それが心の安定と所属意識を高めます。つまり、自分は「ここにいていいんだ」、「認められているんだ」、存在価値というか「こんな私でも生きていていいんだ、何かの役に立つんだ」と思えることは、その子にとって、自立と勇気と自信につながります。

苦しみ、悲しみ、挫折、失敗を重ねることによって、人は忍耐を学び、品性が練られるのです。そして、物事に打ち勝つだけの気迫や根性、さらに、勇気と自信などの精神が養われます。
 反対に過保護や過干渉な子供は、自分の力で判断し、決断し、実践することができず、完全に自信を失ってしまい、自立心の芽をつんでしまいます。失敗したら気楽にやり直せばいいのです。ちょっとしたことで泣いてしまう人間にしてはいけません。他人に頼ったり、他人のせいにするような甘えっ子にならないよう気をつけたいものです。

 何でも自分から進んでする、自分の行為に対して責任を持つ、難しいことでも途中で投げ出さない、ねばり強く完成する、がまんしたり、自分をコントロールするなどは、一人前の大人になるための欠かせない訓練です。ですから、他人を当てにせず、自分でやりとげられるように、挑戦できるように励まし、援助・手助けしてあげることです。そのためには、子供の考えや自主性、人格を尊重して誉めてあげることです。父親は簡単に助けの手を伸べないで、じっと見守るって上げることです。

⑤自制心を育てることです。
 小さいころから、欲しいものは何でも与えられて育つと、自分の欲望を自制できない人間になってしまい、やがて家庭をも破壊しかねません。
 子供は両親の豊かな愛情によって育ちますが、その愛情はよく節制された愛情です。溺愛は、やがて子供の人生を不幸にします。

第三は、「子どもをおこらせ」る原因は何かです。
「父たち」に対しては、子供を「主の教育と訓戒によって育てなさい」と命じています。つまり親は、子供を自分の所有物と見るのではなく、神から委託された人格者として、その存在を認め、主の啓示されたしつけと戒めに従がって育てることです。「子どもをおこらせ」る原因として、3つ考えられます。
1、物事を正しく認識しないで、自分の感情で判断して子供を叱る場合が考えられます。ただし、怒ると叱るのは違います。怒るのは、感情から出ており、叱るのは、愛から出ています。その見極めが大切です。
2、自分自身が守っていない規準を、子供に要求する場合もあります。
3、人格を無視して、自分の願望を子供によって達成しようしていることが明らかな場合もあります。

 そうではなく、親自身も、神のみことばの真理に基づいく生活を築くところに真の教育があり、子供を自分の願望の達成のために存在するものと考えてはいけません。それは、子供の人生を親が勝手に決め、子供の人生に踏み込んだり、レールをしいてしまうことになります。そうではなく、たとえ、苦難・挫折・失敗があっても、子供の人生は、あくまでその子自身の人生として受け止め、子ども自身が責任を持てるように指導し、協力・手助けしてあげることです。そして、親自身が、身をもって神の栄光を現わすことです。それによって、子供は、「主にあって両親に従い」、信頼し、尊敬するでしょう。

 今日本では、家族に対話がなくなり、生きがいがなくなり、目標が失われ、生きにくい時代になっています。こうした時代の中で、父親がはっきりした使命感を持った生き方、それは金や権力ではなく、広い視野と男としての本当の魅力と思いやり、やさしさと厳しさ、信仰姿勢をもった生き方こそ、子供に残してあげられる大切なものであり、それが、家庭の祝福、社会の祝福となり、財産となるのです。そして、それを築くのは、今しかない大切な仕事、それは代わりのない家庭、夫婦にしかできないと言うことを知って頂き、おとうさんに頑張って頂きたいです。
エペソ6:1-4
6:1 子どもたちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです。
6:2 「あなたの父と母を敬え。」これは第一の戒めであり、約束を伴ったものです。すなわち、
6:3 「そうしたら、あなたはしあわせになり、地上で長生きする。」という約束です。
6:4 父たちよ。あなたがたも、子どもをおこらせてはいけません。かえって、主の教育と訓戒によって育てなさい。

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